岡崎慎司がマインツで模索する「自分たちのサッカー」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 マインツがシーズン序盤からつまづいている。ヨーロッパリーグ予選では1勝1敗ながら敗退が決定、先週末に行なわれたドイツ杯でも延長の末に敗れている。3部リーグのケムニッツ相手にショックの残る敗戦だった。

 そして迎えたブンデスリーガ開幕戦の相手は2部から昇格したばかりのパーダーボーン。パーダーボーンにとってはクラブ史上初めての1部リーグ。スタジアムも1部では最小クラスの1万5千人規模で、有名選手は皆無。だがそんなクラブにマインツは2-2と勝ちきれなかった。

開幕戦で先制ゴールをあげた岡崎慎司(マインツ)開幕戦で先制ゴールをあげた岡崎慎司(マインツ) 岡崎慎司がFKのこぼれ球につめて「幸運だった」という先制点を決めたものの、一時は逆転され、試合終了間際に岡崎が獲得したPKでどうにか追いついた。岡崎も「上がって来たばかりのチームにこれでは厳しい」と苦笑いするしかなかった。

 マインツにとっては、今季から監督が変わったことの影響が大きいようだ。昨季まで5季連続で指揮をとったトゥヘル監督が退団。ブンデスでも評価の高い戦術家で、まだ40歳と若いことから将来を嘱望されていた。相手を緻密に分析したうえでの守備的で堅実な戦いぶりはマインツのカラーとして認識されてもいた。だが、今季からはデンマークのノアシェランを指揮していたヒュルマンドが監督に就任。トゥヘルとはまったくスタイルが違うのだと岡崎が説明してくれた。

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