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ブラジルW杯決勝が名勝負になった要因は? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 サッカーの伝統国であるドイツがつくりあげた新たな歴史。それ自体、もちろん意義深いことではある。しかし、それをドイツが旧態依然とした体制のまま、なかば惰性で成し遂げたのではなく、伝統国でありながら自らのサッカーを見直し、積極的な改革に挑んだ結果、成し遂げられたものということにこそ意味がある。レーヴ監督は言う。

「10年前に我々は(改革の)プロジェクトを立ち上げ、クリンスマン(前監督)とともに長年に渡ってやってきた。今日起こったことは、その成果なのだ」

 前回南アフリカ大会を制したスペインほどの精密な技術は持ち合わせていない。それでも、スピード感にあふれ、ピッチを横に広く使ったダイナミックな展開はスペインをもしのぐ。ドイツスタイルの攻撃サッカーもまた、十分に魅力があり、今後のトレンドになりうるものだ。

 ドイツは伝統に縛られることなく「自分たちのサッカー」を見直すことで、新たな歴史を世界のサッカー史に刻み込んだ。

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