2014.06.23

無敵の精神力。ブラジル人選手が海外で活躍できる理由

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

小宮良之のブラジル蹴球紀行(7)

 ナタウの空港に到着し、市内へ向かう。毒々しいほど赤茶けた大地と町全体を焼き尽くすような橙(だいだい)色の太陽と雄大で野蛮さを強く匂わせる海。そこは開拓者が入るまで、紛(まご)うことなき野性の大陸だったのだろう。

 大陸の奥は深い。

 開幕以来、サンパウロ、サルバドール、レシフェといくつか都市を廻ったが、どこの町も違った顔をしていた。「ブラジル蹴球紀行」という連載タイトルにもかかわらず、ブラジルという国は、語るにはあまりに広大すぎ、自分の感性と筆力の乏しさに無力さを感じる。

日本の試合でも多くの陽気なブラジル人ファンの姿が ただ、ブラジル人という点で言えば、一つ共通しているのは物事の事務処理能力、効率性が著しく低いことだ。空港のカウンター、インフォメーションデスク、ホテルのレセプション、タクシードライバー……何をするのも仕事が遅い。何をどうしたらそれほど時間がかかるのか、移動の毎日だとうんざりする。

 そこで注意深く観察していると、どうやら窓口の人間がその仕事を覚えていない。隣の係や別の人間に聞く。日本のように教育係のような人もいないのだろう。結局は仕事を習得している人が少なく、知っている人のところに群がる……玉突き事故が起きた交通渋滞のような現象が起きてしまうのだ。