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オランダはなぜスペインに大勝できたのか? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 だからこそ、まだ勝負に出たわけではなく、専守を保ちつつ手探りで反撃を試みていた前半のうちに同点に追いつけたことは、オランダにとって大きかった。値千金の同点ゴールを決めたファン・ペルシーは言う。

「前半終了直前という最高の時間に同点に追いつけたことで、ハーフタイムもこのまま続けていこうと話した。そして後半もまた、(開始早々という)これ以上ない時間に勝ち越すことができた」

 狂いかねなかったゲームプランが再び軌道に乗ったことで、狙いどおり、後半勝負で強力アタッカー陣を生かしたオランダ。“たられば”を言っても仕方がないが、前半をスペインリードのまま終えていたら、結果はまったく違うものになっていた可能性もある。

 その一方で、心配なのは前回王者のスペインである。

 4年前も初戦ではスイスに敗れているとはいえ、今回はあまりに負け方が悪すぎる。現実的な目標は2位通過。となると決勝トーナメント1回戦では、いきなりブラジルとの対戦が予想される。

 だが、もはやそんな先のことを考えていられる余裕はない。勝ち点0に終わったばかりか、得失点では早くもマイナス4の重荷を背負ってしまったのである

 スペインがグループリーグで姿を消す。そんな大波乱すら現実味を帯びてきた。

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