オランダはなぜスペインに大勝できたのか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 前回のW杯南アフリカ大会決勝の再戦が、今回のW杯ブラジル大会2日目にして早くも実現した。スペイン対オランダ。間違いなく今大会におけるグループリーグ屈指の好カードである。

 4年前の決勝では延長戦の末、1-0でスペインが勝利。今回も僅差の勝負が予想された。ところが、終わってみればオランダが5-1の大勝である。

スペインはオランダ守備陣から1ゴールしか決められなかったスペインはオランダ守備陣から1ゴールしか決められなかった スペイン優位の前評判のなか、オランダが、しかも5ゴールもの大量点を奪って勝利するとは、やはり意外な結末という印象は否めない。

 では、なぜこのような結果になったのか。一言で言えば、オランダのスペイン対策が実った。これに尽きると思う。

 オランダ代表のキャプテン、ロビン・ファンペルシーが「この2週間準備してきたことが出せてうれしい」と話していたが、オランダにしてみれば、まさにしてやってりの気分だろう。

 オランダが綿密な準備を進めてきた"スペイン封じ"の中身を手っ取り早く示しているのが、5バックのフォーメーション。4列表記にすれば「5-2-1-2」ということになる。

 こうして数字だけを並べてしまうと、相手の攻撃力を恐れたベタ引きの守備戦術にも見えるが、5バックから感じるイメージとは裏腹にDFラインを高く保ち、高い位置から相手ボールにアプローチしていくという守備がうまく機能していた。

 頻繁にポジションチェンジしながらパスをつないでくるスペインは、自由にやらせてしまえば調子に乗る。だからこそ、相手3トップ(ダビド・シルバ、ジエゴ・コスタ、イニエスタ)を中央の3人のDF(マルティンス・インディ、フラール、デフライ)がしっかりと捕まえ、前線に入ってくる縦パスをまずは寸断。彼らDF3人が中央に引きつけられる分、サイドのスペースはサイドバックのヤンマートとブリントが的確に埋めていた。

 とはいえ、前半のオランダの戦いぶりは、やはり専守防衛策の色合いが強かった。

 せっかく前線にロッベン、ファン・ペルシー、スナイデルという世界トップレベルのアタッカーを擁しながら、まるで彼らのよさが発揮されない。一度、スナイデルがGKと1対1になる決定機をつくってはいるが、前半に関して言えば、うまく守っているという以上の何かを期待させるレベルではなかった。

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