終盤は出場機会も減少。本田圭佑のイタリアへの順応を阻んだもの (2ページ目)
代表でもCSKAモスクワでも純粋なトップ下としてプレイしてきた本田だが、ミランではそのポジションを変えなければならなかった。クラレンス・セードルフは本田を4-2-3-1の右サイドハーフとして起用したのである。セードルフのシステムでは本田が本来のポジションでプレイするチャンスはほとんどなかった。
外国人選手がイタリアのサッカーに慣れるには普通でも時間がかかるものだが、本田にはそれ以外にも彼の適応を阻む多くの障害があった。不調のチーム、優秀だが経験のない新監督、多くの運動量を要求される新しいポジション。おまけに結果を出せないチームにサポーターが怒り、ミラニスタからは多くの非難が浴びせられる。それでも本田は少しずつ新しいポジションに慣れていき、結果も付いてくるようになった。
ラツィオ戦での交代時に不満そうな表情を見せたこともあったが、全てはうまくいきそうだった。ところがそんな矢先に練習中の負傷。本田は2試合を欠場する。そしてどうやらこの間に、セードルフの頭の中の本田のヒエラルキーが下がってしまったようで、シーズン終盤にはあまり出場チャンスを与えられなかった。
とにかくハードなシーズンもついに終わった。今後、本田はW杯で日本をより高みに導くために全力を尽くすだろう。と、同時にこれまでの様々な批判を振り払い、この舞台で自分がミランに相応しい選手であることを世界中に知らしめようと考えているはずである。
そして8月からミランはまた新たな一歩を踏み出さなくてはならない。本田は新シーズンこそミランの主役の一人として活躍したいはずである。ただ、サッカーはピッチの中でも外でもサプライズがいっぱいだ。来シーズンのミランがどんな形になるか誰にもまだわからない。とにかく今はW杯を楽しもう。みなさん、良いサッカーを!!
この5ヵ月間、このコラムを読んでくれてありがとう。また2014~2015シーズンのはじめに会いましょう! そして最後に一度くらいはオフィシャルマガジンの編集長としてではなく、1ミラニスタとしてこう叫ばせて欲しい。「Forza Milan!」 来シーズンはミランにとって良い1年でありますように!
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