激辛注意。ミランOB・コスタクルタが放つ「本田圭佑論」 (3ページ目)

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 もちろん軽い冗談で言った言葉だったけど、かといってそれが完全に的を外した見方であったかといえばそうとも言えない。つまり、僕の下手なジョークに込めていた本当の意味は、ここ数年のミランが“チーム全体として”そのクオリティを極端に落としてしまっているということであって、本田もまたそのレベル低下と無関係ではない。

 本田が「ミランの10番」を付けている姿を見る僕の胸中には、なかなか言葉にするのは難しい類いの複雑な思いが込み上げてくる……。

 デヤン(・サビチェビッチ)だけでなく、グーリットやボバン、それにルイ・コスタやセードルフ。彼らだけでなく、歴代の10番以上に大きな存在感を放っていたファンバステンやライカールト、ピルロやカカといった選手たちと同じピッチに立っていた僕の眼から見れば、残念だが、本田のレベルは彼らよりも下にあるとしか言えない。

 もっとも、冒頭で言ったように、本田にはこの言葉を近い将来、覆してもらいたいと心の底から願っているよ。

後編へ続く

■プロフィール
アレッサンドロ・コスタクルタ
1966年イタリア生まれ。ミランのDFとして長年活躍し、イタリア代表では1994年のW杯アメリカ大会、1998年W杯フランス大会に出場。バレージ、マルディーニらと、当時世界最高の守備を形成し、ミランで多くのタイトルを獲得した。2007年に引退。

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