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仏リーグ連覇目前。世界一のクラブを目指すPSGの野望 (5ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 世界にはフットボールクラブが星の数ほどあるのに、なぜカタールはPSGを選んだのかと僕は尋ねた。「ヨーロッパの首都のひとつにある唯一のクラブだから」と、アル・ケライフィは答えた。「おまけに、周りには1200万人もが住んでいる」

 言われてみれば、ロンドンにはプレミアリーグのクラブが6つある。マンチェスターでさえ、ふたつある。パリはヨーロッパの「フットボール地図」の中で最大の空白地帯だった。以前はユベントスで仕事をしていたディレクタージェネラルのブランは、さらにこう言った。「2年半前、手に入れるべきスポーツチームを地球上でひとつ選ぶとしたら、誰が何と言おうとPSGだった。これは一生に一度あるかないかのプロジェクトだ。40年間眠っていた美女が、一度のキスで......ピューン!」と言って、彼は手のひらを拳骨でたたく。

「......弾け飛ぶんだ」。スポーツ界でこれに匹敵するプロジェクトをほかに探すとしたら、小国であるカタール自身が開催する2022年のワールドカップくらいかもしれない。

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