絶好調GK川島永嗣。唯一元気な「海外組」が今の心境を語る (2ページ目)
3月31日に放映されたサッカー討論番組『エキストラ・タイム』で、こんなシーンがあった。ゲスト出演したスタンダールのコーチ、イバン・ブコマノビッチが川島について語っていたのである。
(司会) 今シーズンの川島は大きなステップアップを果たしましたね。
(ブコマノビッチ) 今シーズンからGKコーチを務めているジョス・ベックスと一緒になって頑張っている。川島は真の一流プレイヤーだ。
(司会) 彼のメンタル面は?
(ブコマノビッチ) 最高だよ。まさに「日本人」。
(司会) つまり、働いて、働いて、働いて......。
(ブコマノビッチ) そう。脱帽するくらいだよ。
ジョス・ベックスとは、かつてティボ・クルトワ(現アトレティコ・マドリード)や、シモン・ミニョレ(現リバプール)といったベルギー代表GKを育てた名コーチ。ベックスが就任する前のGKコーチは、川島に対して、「ペナルティーエリア内のボールは全部獲りに行け」と指示していた。しかしベックスは、「確実に行けるボールだけ、前に出ろ」とアドバイス。それが功を奏し、今シーズンの川島は得意の1対1に磨きがかかり、ベルギーでも屈指の素早いシュート反応を見せるキーパーとなった。
南アフリカW杯直後にベルギーへと渡り、リールセSKに入団したのが4年前――。当時の川島は、「自分がベルギーで一番のキーパーだ」という思いを秘めながらプレイするも、「日本人のキーパーは、ジャマイカ人がボブスレーをするのと同じようにヨーロッパでは見られている」と、現地の専門誌に胸の内を語ったこともあった。しかし、川島はすでに、ベルギーで自分の実力を証明する時期は終えた。現在は、己(おのれ)のパファーマンス向上のみに意識を傾けている。川島は、最近の心境をこう語った。
「周りの人が、『川島が一番のキーパーだ』と言ってくれたりしますし、そう言ってもらえるのはもちろん嬉しい。ただ、自分の目標はチームが優勝すること。そして、自分がそのゴールを守っていること」
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