絶好調GK川島永嗣。唯一元気な「海外組」が今の心境を語る
ベルギーリーグはいよいよ佳境を迎え、上位6チームによるプレイオフが始まった。レギュラーシーズンを首位で終えたのは、ベルギーのフランス語圏にあるワロン地域の勇――。GK川島永嗣の所属する、スタンダール・リエージュだ。
好セーブを連発してスタンダール・リエージュのファンから信頼を勝ち取った川島永嗣 今シーズン、ビッグセーブを連発して強豪スタンダールを引っ張っている川島は、地元サポーターをうならせている主役のひとりだ。3月8日のKVメヘレン戦では相手のPKを見事に防ぎ、2-0の完封勝利に大きく貢献。サポーターは試合後、「ララ、ラララー、ララ、ラララー、カーワー、シーマー!」というチャントを歌い続け、川島の好プレイを大いに讃えた。
昨シーズンの川島は、サポーターから全幅の信頼を得ていたとは言い難い。なぜならば、レギュラーシーズン30試合にフル出場したものの、安定感に乏しく、54失点という散々な結果に終わったからだ。その後、プレイオフでリーグ4位となり、滑り込みでヨーロッパリーグ出場権を得たものの、サポーターの不満は鎮まらず、川島の背中に向けてかつての正GKシナン・ボラト(現カイセリスポル/トルコ)の名前を浴びせ続けたこともあった。また、昨年6月に行なわれたコンフェデレーションズカップでの低パフォーマンス(日本はグループリーグ3試合で9失点)も、サポーターの信頼を下げる要因となった。つまり、2013-14シーズン前の川島は、決して高い評価を得ていたわけではなかったのだ。
だからこそ、今シーズンの川島の活躍ぶりは、ベルギー国内で衝撃的な出来事として受け止められている。なにしろ、レギュラーシーズン出場27試合で、失点はわずか13。今シーズンは負傷で3試合欠場しているものの、昨シーズンより失点が41も減っているのだ。今やベルギーでは、「国内ナンバーワンGKは川島か?」という議論が頻繁(ひんぱん)に交わされるようになり、クラブ・ブルージュの新守護神マシュー・ライアンとともに、「リーグを代表するゴールキーパー」と称されるようになった。ちなみに、スタンダールの本拠地であるワロン地域(フランス語圏)の新聞『DH』は、川島をレギュラーシーズンのベスト11に選び、ブルージュが籍を置くフラマン地域(オランダ語圏)の新聞『ヘット・ニーウスブラット』は、ライアンを同賞に選出している。
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