ヘルタ細貝萌「まずボランチで自分のポジションを確保したい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 8月4日、今季初の公式戦であるドイツ杯1回戦ノイミュンスター戦、細貝はベンチスタートだった。コンフェデ杯があったことでチームへの合流が遅れ、今もコンディション調整に多くの時間を割いている。先週はただひとり、2部練習を3回行なった。その一方で練習試合ではパレルモ戦の45分間しかピッチに立っておらず、少々焦りがあるようだ。

「ピッチに立っている時間が短いのは自分の中ではちょっと痛いのかなと思います。でも、それは監督が決めることですし、ピッチに立ったときには結果を残せるようにしたい」
 
 この日、チームは5部のノイミュンスターに延長戦にまで持ち込まれた。細貝が投入されたのは2-2で迎えた113分のことだった。

「雰囲気的には前半の最後に出る感じだったんですけど、出ないことになり、延長になったのでもうないかなと思いましたけど......。とにかくこのチームに来て最初の公式戦でピッチに立てたことは、まず1歩目として良かった」と、試合後の細貝は安堵した様子で語った。

 だが、出場するだけで満足するのではなく、狙いを持って試合に入ったのだと言う。

「相手は5部のチームですし、もっとヘルタとしてはやらなければいけないことが多い。FWに大きい選手(ベンハティラ)がいるのだから、ただハイボールを上げるのではなくて、彼が競りやすいように上げなきゃいけない、というようなことを思いながらピッチに入りました」

 その狙いは功を奏した。試合終了間際の120分、中盤から細貝がロングボールを入れると、ペナルティエリア内でベンハティラが相手DFと競り、PKを得る。これをアラグイが決め、ヒヤヒヤものの勝利を手にした。

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