イタリア人記者が語る「ザッケローニへの批判はフェアではない」

  • マッシモ・チェッキーニ●文 text by Massimo Cecchini
  • 栗原正夫●翻訳 translation by Kurihara Masao

コンフェデ対戦国記者が見た日本の課題(2)

 3連敗で終わった日本のコンフェデ杯。その戦いぶりは、対戦国の記者の目にどう映ったのか。イタリア『ガゼッタ・デロ・スポルト』紙記者は、日本を"ナイーブ"と評した。

イタリア戦後半28分、内田篤人に代えて投入された酒井宏樹。だが効果的な選手交代とはならなかった photo by Fujita Masatoイタリア戦後半28分、内田篤人に代えて投入された酒井宏樹。だが効果的な選手交代とはならなかった photo by Fujita Masato コンフェデ杯で見た日本代表について言えば、その直前にW杯アジア最終予選を戦っていたことで、コンディションが万全でなかったように見えた。そのため、大会に入ってから日を追うごとにプレイレベルが低下してしまったのはやむを得なかったのではないか。相手のレベルが高い国際大会で、それも試合が2日、あるいは3日おきにあるような厳しいスケジュールでは、無理もない話である。本来であれば、そういったフィジカルコンディションを度外視しての評価は、あまり参考にはならないかもしれない。

 ただ、そうしたことを踏まえても、来年のW杯に向けて、日本代表にとってコンフェデ杯の経験は有益となるはずだ。とくに中盤から前線にかけては、香川真司、本田圭佑、岡崎慎司といったタレントを揃え、どの試合でも、時間帯によっては効果的にボールを保持してすばらしいサッカーを披露した。

 イタリア戦は3-4と点の取り合いとなったが、もう少しシュートの正確性があり、GKブッフォンの好セーブがなければ、あと1~2点は日本に入っていたかもしれない。イタリアの選手は「完全な負け試合だった」と口にしており、来年の6月中旬から7月中旬にかけて、コンディションをトップの状態に持っていけるようなら、日本は世界を驚かす可能性を秘めていることを証明したとも言える。

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