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【CL】メディア主導のレアル監督人事。モウリーニョ残留の目も? (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

 本人は会見で否定していたものの、アンチェロッティがクラブに退団を直訴したという報道が流れたほか、レアル・マドリード監督就任の手土産としてイブラヒモビッチを連れてくるという眉唾(まゆつば)ものの話も出るなど、ここ数日アンチェロッティの監督就任は既成事実であるかのような報道が続いている。

 スペインラジオ局コーペは、レアル・マドリードとアンチェロッティの間には口頭での合意があり、ドルトムントに敗れた場合、数日のうちにGMのホセ・マリア・サンチェスがパリに飛び、サインを結ぶという情報を流している。

 大事なのはチーム力アップのための監督交代のはず。だが、現在のスペインメディアはイングランドやフランスの情報をもとに、モウリーニョの退団の可能性を拡張し続けることに終始している。彼が退団することによってチーム作りが振り出しに戻る可能性など、デメリットの報道はない。新監督就任で全てが上手くいくという根拠のない盛り上がりだけで終わっているのだ。

 ドルトムント戦の会見の雰囲気から言えば退団が濃厚なモウリーニョ。だが、まだ彼がレアル・マドリードの監督を続けるかどうかを決める時間は残されている。メディアとの関係は冷め切っており、修復不可能の状態だが、メディア以外の関係者に関しては「愛されている」とモウリーニョは語っている。スペインクラブでチャンピオンズリーグのタイトルを獲得するという目標を達成するためにも、決してチームを今すぐにも辞めたいわけではないはずだ。

 最終的な決断はフロレンティーノ・ペレス会長に委ねられているレアル・マドリードの監督問題。だが、シーズン終了までの1ヵ月、サポーターの動向はモウリーニョの気持ちや会長の考えにも大きな影響を与えるはずだ。現体制を後押しして来季を迎えるか、それともメディアのプッシュする新監督招聘に賛同して心機一転、再スタートをきるのか。来季の監督人事のカギは、実はサポーターが握っている。

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