2013.05.01

【CL】メディア主導のレアル監督人事。モウリーニョ残留の目も?

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

去就が注目を集めているレアル・マドリードのモウリーニョ監督 ロスタイム、クリスティアーノ・ロナウドがエリア内で相手DFに倒された。歴史的逆転劇を信じるサンティアゴ・ベルナベウのスタンドからは地鳴りのような抗議のブーイングが飛び、審判ハワード・ウェブが笛を鳴らす。だが、それは試合終了の合図だった。2対0、2戦合計3対4でモウリーニョ率いるレアル・マドリードはボルシア・ドルトムントの前に敗れ、3年連続準決勝で大会から姿を消すことになった。

 バルセロナがリーガのタイトルを手中に入れていることから、レアル・マドリードにとって10度目となるチャンピオンズリーグのタイトルを獲得することは至上命題だった。だが、ドルトムントの前にその夢は幻と消え失せた。試合後の記者会見。モウリーニョに敗戦の責任を取らせようとメディアは手ぐすねを引いていたが、会見はその一歩先を行く辞任会見の様相を呈していった。

「たぶん来季はマドリードで監督を続けないだろう。自分のことを愛しているところで指揮をしたい」と、試合終了後のフラッシュインタビューで英国のテレビ局に答えたモウリーニョ。会見では「自分の真意とは違う。決断はシーズン終了後にしたい。契約は残っているし、クラブ、フロレンティーノ・ペレス会長へのリスペクトから、まだ自分は決断を下していない。シーズン終了後、会長、友人である彼と話し合う」と、退団の可能性をぼかしてはいたが、いつもの好戦的な姿勢は影を潜めていた。

 まるで憑(つ)き物が落ちたかのように記者の質問に丁寧に答えており、ドルトムント戦がレアル・マドリードの監督として最後のチャンピオンズリーグになったと、その場にいた記者の多くが思う会見だった。その雰囲気はサッカーファンにも届いたようで、マルカ紙の試合後のアンケートでは、80%を超える人が、モウリーニョの来季続投はないと答えていた。

 ドルトムント戦が始まる前からすでにモウリーニョの後任探しを始めていたスペインメディア。現在、後任候補の一番手にあげているのがフロレンティーノ・ペレス会長のお気に入りと言われているPSGのイタリア人監督アンチェロッティだ。レアル・マドリードの次期監督騒動は隣国フランスにも飛び火した格好だ。