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【CL】欧州CL決勝トーナメント、ダークホースはココだ! (3ページ目)

  • 神 誠●文 text by Jin Makoto
  • photo by AFLO

 そのPSGの1回戦、対戦相手はバレンシア。GL2位通過8チームの中でベストとは言わないまでも、悪くない相手を引き当てた。現在、国内リーグで11位と低迷するバレンシアは、まだ監督交代から日が浅く、組織の構築は互いに途上ながらも、個の力で上回るPSGに分がある戦いとなりそうだ。

 PSGの課題だった組織面も、4-3-3からスタートした基本システムを中盤ひし形の4-4-2に移行していった過程が、ジョゼ・モウリーニョ時代のインテルを思わせ、当時インテルのイブラヒモビッチがそこからゴールを量産したのと同じ軌跡を、すでにPSGのイブラも再現しつつある。事実、リーグ戦では15試合で17ゴールと無類の決定力を見せつけており、その本来のパフォーマンスがCLの舞台でも発揮されれば、PSGはすべてのクラブを凌駕することができるだろう。

 そしてもう1チーム、過去に現れた『ダークホース』と興味深い共通項を持つのが、CL初挑戦でベスト16という快挙を挙げた、マラガだ。チームを掌握するチリ人監督のマヌエル・ペジェグリーニは、2005-06シーズンにもビジャレアルを率いてCLに初参戦し、GLを首位で通過、最終的にベスト4まで上り詰めた実績を持っている。ベテランと若手を融合させた緩急自在のポゼッションサッカーはマラガでも顕在で、国内リーグでは3位レアル・マドリードと5ポイント差の4位と好調を維持している。

 こうした勢いを背景に「CLでもトップを狙える」と監督が説けば、「僕らはもっと上に行ける」(FWホアキン・サンチェス)と選手も呼応しており、マラガの『ビジャレアル旋風再来』は本気のようだ。レンジャーズとの1回戦(合計3-3)、インテルとの準々決勝(合計2-2)と、いずれもアウェーゴールの差で勝利し、一気にベスト4までコマを進めたビジャレアルにならうならば、CLでも国内リーグでも安定した戦いぶりを見せる格上のFCポルト相手に、アウェーゴールという見えない点差でもいいから、とにかく勝つことだ。それさえ叶えば、その後のトーナメントで一目置かれる存在となるだろう。

 2013年2月――。今季のCLを揺るがす『真のダークホース』の出現なるか、まずは決勝トーナメント1回戦・ファーストレグに注目したい。


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