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【CL】欧州CL決勝トーナメント、ダークホースはココだ! (2ページ目)

  • 神 誠●文 text by Jin Makoto
  • photo by AFLO

 セルティックは第4節のバルセロナ戦で、GL最大のサプライズをもたらした。CLではバルサに喫した2敗以外に負けたことのないホームのセルティックパークで、ボール支配率8割以上を許しながら2点を先制し、ロスタイムの1失点に抑えてクラブ史に残る大金星をつかみ取った。2007-08シーズン以来となる決勝トーナメント1回戦で対戦するユベントスは、ハードワークに支えられた高度な組織力の際立つ優勝候補の一角だが、バルサの猛攻を耐え抜いた粘り強い守備で接戦に持ち込めれば、フィジカルを活かしたセットプレイのワンチャンスで勝機が生まれるかもしれない。

 対するガラタサライは、GL敗退の危機に瀕(ひん)して迎えた第5節のマンチェスター・U戦がハイライト。ホームスタジアムの熱狂を背に、果敢に攻め続け、トルコ代表FWブラク・ユルマズがCKに合わせてゴールを奪い、1-0で勝利した。この決勝点を含め、GLで6ゴールと覚醒した絶対的ストライカーの存在は、この先も小さくないアドバンテージとなりそうだ。1回戦の相手となったシャルケ04は、敵地でアーセナルを破るなど無敗でGL首位通過を果たし、ベスト4に進出した2010-11シーズンの再現を狙う勢いを見せているが、レベルの高いブンデスリーガとの両立はたやすくなく、付け入る隙は十分にある。

 とはいえ、仮にこの2チームが1回戦を勝ち抜いたとして、決勝の地・ウェンブリーまでたどり着けるのかと問われれば、力不足の感は否めない。あくまでGLのダークホースだったと見るのが妥当であり、ベスト16に残ってスポットライトを浴びた時点で十分成功、ベスト8に進出できればボーナスと考えるべきだろう。

 では、人気上位のビッグクラブと互角に渡り合い、決勝トーナメントにおける『真のダークホース』はどこか? 21年目を迎えるCLの歴史から見ても、また今季のトピックス的視点で見ても、それは2000-01シーズン以来12年ぶりに16強入りを果たした、パリ・サンジェルマン(以下PSG)ではないだろうか。

 PSGといえば、ちょうど1年前の2011年12月、前任監督を解任して2度も欧州を制したカルロ・アンチェロッティを招き、今夏の移籍市場でもズラタン・イブラヒモビッチ、チアゴ・シウバ、エセキエル・ラベッシらの超大型補強で、オフの話題を独占したのは周知のとおり。クラブを所有するカタール王族の側近は、「オーナーとなったその日から、我々の目標はCLで優勝することだ」と語っており、あらゆるリソース(資源)が優勝トロフィー獲得のために注がれてきたことがうかがわれる。アンチェロッティ監督はいまだ新戦力の融合に試行錯誤している様子だが、CLではオーナーの期待に見事に応え、強敵のFCポルトを逆転してGLトップ通過を果たした。「僕らにはこの大会で成功を収めるために必要なクオリティーが備わっている」(GKサルヴァトーレ・シリグ)と、選手たちも自信を深めている。

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