【スペイン】グアルディオラ以上?首位独走のバルセロナ、ビラノバ監督の手腕

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko
  • photo by Rafa Huerta

今季バルセロナを率いて昨シーズン以上の成績を残しているビラノバ監督今季バルセロナを率いて昨シーズン以上の成績を残しているビラノバ監督「グアルディオラの後任として、バルセロナの次期監督にティト・ビラノバが就任します」

 サンドロ・ロセル会長が新監督を発表した時の周囲の驚きは、今も記憶に新しい。

 後任はベンゲル(アーセナル監督)か、いや、ビエルサ(ビルバオ監督)が来るのでは、とさまざまな憶測が飛びかっていたが、クライフの時代に築き上げたスタイルを進化させ、限りなく完成形に近づけたグアルディオラの後任など簡単に見つかるはずもなく、まさかその手があったか、と奥の手を出されたような衝撃があった。

「ペップ(グアルディオラの愛称)と比較されたら、すべての点で負けるのはわかっている」と最初から負け試合を認めながら就任記者会見に臨んだティト・ビラノバ。そんな男がチームを率いて100日目が過ぎた。

 ビラノバの予言(そして周囲の予想)は、まだ当たっていない。現在、通算成績19勝1分2敗と圧倒的な成績で他を圧倒し、国内リーグは無敗で首位独走、チャンピオンズリーグはグループ首位通過。国王杯ではGKにピントを起用するなど多くのスタメン選手を休ませ、若手に経験を積ませる場と割り切りながらも楽々と勝ち上がり。これ以上は望めない好成績をおさめている。

 今季のバルセロナの開幕からここまでの成績や総得点数は、グアルディオラが率いていた昨季のそれを上回る。無理やり比較すれば、失点数が前シーズンより多いことが問題点ではあるが、これは開幕から3カ月の間にプジョル、ピケ、アドリアーノ、モントーヤ、ダニエウ・アウベスと次々にDFの主力が負傷離脱したことを思えば納得がいく。

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