【イングランド】開幕戦フル出場。香川真司はルーニー、ファン・ぺルシーと共存できる

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

エバートン戦に先発フル出場を果たした香川。ルーニーと息の合ったプレイを見せたシーンもエバートン戦に先発フル出場を果たした香川。ルーニーと息の合ったプレイを見せたシーンも マンチェスター・ユナイテッドのプレミアリーグ開幕戦、エバートン戦にフル出場を果たした香川真司。試合前日に「新たなチャレンジ。ワクワクする」と、自身がブログに記していた通り、90分間、ピッチ内を縦横無尽に駆けまわった。生き生きと躍動し、従来のメンバーたちにも引けを取らないプレイも披露した。

 だが、試合には0-1で敗れ、「ものすごく責任を感じる」と語っていたという。あらためて言葉にする必要もないが、すっかりマンチェスター・ユナイテッドの一員になったことが、そんなコメントからも感じられる。香川は本当に新たなスタートを切ったのだ。

 思えば一年前、ドルトムントで迎えた開幕戦は苦しいスタートだった。一昨年、つまりドルトムントへの移籍初年の活躍を越えられるか、自分自身への期待が高いハードルとなり、結果的に自分を追い込むことになった。開幕直前は寝付けず、食も細くなったと言う。実際、昨季は開幕戦こそ活躍したが、その後の2ヵ月ほどは代表戦や欧州チャンピオンズリーグが続く過密日程で思うような結果が出せず苦しんだ。「去年だったらもっとやれてたのに......」、そんな言葉を口にすることが非常に多かった。

 その頃と比較すると、わずか一試合ではあるが、今季の開幕戦でのプレイは、背負うものなどない、いい意味での気楽さが感じられた。気楽さといっては語弊があるかもしれないが、プレミアで無名選手としてスタートするほうがはるかに自由なのだろう。思いきりやってやろう。そんな意気込みと新たな環境を楽しむようなプレイだと感じられた。

 マンチェスター・ユナイテッドに関しては、ファーガソン監督の発言の真意はなかなか読めず、しかもクラブは足並みをそろえ本当のことを明かそうとしないため、古株の番記者でも、なかなか先のことは予想しづらいのだという。だが、この試合は英国の各メディアも予想した通りのスタメン。直前に入団が発表されたファン・ペルシーはベンチスタートとなった。

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