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今季Jリーグ随一のキャリアを誇るジェルマンが日本のレベルの高さに驚愕「大きな可能性がある」 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Yoichi Igawa

【「日本のフットボールには大きな可能性がある」】

 画面越しではあるが、ジェルマンの表情と口ぶりに嘘はなさそうに見えた。当連載でこれまでにインタビューした多くの欧州出身の選手とは異なり、日本の予備知識を持たずに来日し、ピッチの内外で嬉しい驚きを覚えてきたのだろう。

「日本はフランスから遠く、時差もあるので、Jリーグを観るのは簡単ではない。だから私は、Jリーグについてほとんど何も知らなかったわけだが、この国のフットボールには大きな可能性があると思う。

 もし私がフランスに戻ってクラブのフットボール・ディレクターのような職務に就くなら、間違いなく日本人選手を獲得するだろう。少なくとも、2、3人は」

 この時はリップサービスに聞こえなくもなかったが、インタビューを進めるうちに、これがジェルマンの本心だとわかっていった。

(つづく)

中編 >> エムバペの覚醒を間近で見たジェルマンがモナコでのあのシーズンを振り返る「かけがえのないもの」

ヴァレール・ジェルマン Valère Germaim
1990年4月17日生まれ、フランス・マルセイユ出身。元フランス代表のブルーノ・ジェルマンを父に持ち、モナコの下部組織からファーストチームに昇格した。2016-17シーズンには当時10代のキリアン・エムバペらと共にリーグ・アンを制し、チャンピオンズリーグのベスト4に進出。その後、マルセイユ、モンペリエ、マカーサーFC(オーストラリア)を経て、今年2月にサンフレッチェ広島に加入した。

著者プロフィール

  • 井川洋一

    井川洋一 (いがわ・よういち)

    スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。

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