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日本で、世界で最もサッカーが見やすいスタジアムは? ポイントは「俯瞰的に」見えるかどうか (4ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【日本でも近い経験が】

 ところが、日本でもそれに近い経験をさせてもらったことがある。

 川崎市の等々力陸上競技場(現Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)のメインスタンドが全面改装を行なった時だ。改装中もスタジアムは使用され、取り壊されたメインスタンドとトラックの間の幅跳び走路上に仮設スタンドが造られて、記者席もその上層階に設置された。

 つまり、2013年と14年の2シーズンにわたって、等々力にはボカのあの垂直のスタンドに近い角度と距離の観戦環境が実現したのだ(ピッチとスタンドの距離はちょっと遠かったが)。

 それより少し前には、FC町田ゼルビアのJ2昇格を前に、町田市立野津田陸上競技場(現、町田GIONスタジアム)でも同じようにメインスタンド改修工事中に仮設のスタンドが造られ、俯瞰的で距離も近い究極の観戦環境が実現した。

 新スタジアムを計画しているクラブの方には、ぜひボンボネーラも参考にしていただきたいものである。

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著者プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7500試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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