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梅崎司(大分トリニータ)は引退するか現役続行するか迷っていた きっかけは曺貴裁監督の「心に刺さる言葉」 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【明らかにチームが変わっていく様を実感】

── 若かりし頃に在籍していた時と、復帰してからでは、チームに対して働きかけられることも変わっていたように思います。

「全然、違いました。僕自身の考え方も大きく変わりましたから。一方で、選手としてはもう一度、輝きたいという強い思いもありました。実際、2022年は自分のフィットネスも上がった感覚があり、それによりゴールに向かう姿勢も出てきて、決定機も作り出せていたし、その形からゴールも獲れていた。

 加えて、下平隆宏監督のもとでうしろから丁寧につないでいくサッカーに触れ、シャドーの位置でプレーしていましたが、浦和レッズ時代に指導を受けたミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)とはまた異なるシャドーの役割を求められました。

 自らボランチの脇まで下がってビルドアップに関わるプレーは新鮮で、指導者に転身する今後にも生きていくような学びがありました。それにトライすることで、選手として、新しい自分も見せられたと思っています」

── 梅崎選手の魅力は、プレーだけでなく、常にうまくなろう、吸収しようとする姿勢にあったように思います。

「選手として、常に自分を表現したいという思いがあったので、そう言ってもらえるとうれしいですね。

 プレーにおける個の成長に加えて、湘南時代は初めてリーダーとしての役割も求められました。曺さんから若手選手に対してこういう姿勢を見せてほしいというリクエストや、また2018年には日本人最年長になり、年齢が高い選手に対しても話をすることもありました。

 時には、年上の選手に対して、それを要求するのは大変で、厳しいと思うこともありました。だけど、それを自分が言う、もしくは見せることで、明らかにチームが変わっていく様を実感できていたので」

── 湘南で、それまでの空気を変えるような役割を求められたわけですね?

「2018年に湘南に加入する時から、その役割については求められていました。当時の湘南はある意味、真面目な選手が多すぎるから、その雰囲気や空気を壊してほしいと言われていました」

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