浦和・宇賀神友弥が引退を決意した瞬間「他人のプレーを心の底から喜んでいる自分がいた」 (2ページ目)
【レッズを倒してやる気持ちしかなかった】
── 小泉選手以外には?
「(二田)理央も、年齢は離れていますけど、積極的に話を聞きに来てくれたひとりでした。練習後も『今日はウガさんをドリブルで抜きましたね』って、うれしそうに話してくれたのは、僕自身もうれしかった。
きっと、彼らも、それを自分だけにとどめず、いつか『自分もこうしてもらったから』と思って、後輩に伝えていってくれると思うんです。それがきっと歴史であり、伝統になっていくんだと思っています。
だから僕は、今まですごい先輩たちと出会ってきたので、それを次につなげたいという思いだけでした。最終節には(田中)達也さん(アルビレックス新潟アシスタントコーチ)も来てくれていました。本当は見に来る予定ではなかったらしいのですが、僕の最後の試合になるからと、その日の予定を終えて新潟から駆けつけてくれました。
その達也さんを筆頭に、ヒラさん(平川忠亮)、鈴木啓太さん、阿部勇樹さん......名前を挙げたらキリがないレジェンドの人たちが、つないできてくれたものを、自分がまた次につなげることはできたかなと思っています」
宇賀神友弥の戦う姿勢は最後まで変わらなかった photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── 浦和レッズでのキャリアについても思い出してもらいたいのですが、ジュニアユース、ユースを浦和レッズで過ごし、流通経済大学を経て2010年に浦和レッズでプロの一歩を踏み出した時は、どのような気持ちだったのでしょうか?
「浦和レッズへの加入が決まるまでは、ユースからトップチームに昇格できなかったことが悔しくて、本当に『浦和レッズを倒してやる』という気持ちしかなかったですね。冗談ではなく、本当に大宮アルディージャに入って、浦和レッズを見返してやるという気持ちだけで、サッカーを続けていました。
その結果、浦和レッズに帰ってくることができて、それが決まった時には、『まずはこのクラブにタイトルをもたらして、絶対に恩返しするんだ』という気持ちに変わった。だから、プロ1年目から、自分が試合に出る・出ないではなく、とにかくタイトルをもたらす。その気持ちしかなかったですね」
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