J1より気になる? J2の白熱した戦い プレーオフはリーグを最後まで盛り上げる絶妙な制度 (4ページ目)
【プレーオフを取り入れたのはリーグ戦を始めたイングランド】
だが、その"邪道"を取り入れたのは、世界で最初にサッカーのリーグ戦を発明したイングランド人だった。1992年にFLから20クラブが離脱してプレミアリーグが創設された時、FLからプレミアリーグへの昇格を決める制度として採用されたのだ。
優勝をプレーオフによって決めるというのは明らかに"邪道"だが、3チーム目の昇格チーム(ボーナスのようなもの)を決めるためなら、リーグ戦の注目度を上げるためには目をつぶってもいいということなのだろう。
ただ、2部リーグ6位のチームが昇格してもトップリーグで戦っていけないのではないかという心配もある。実力差の大きなチームが昇格してしまったら、翌年のリーグ戦がつまらなくなってしまうかもしれない。
それなら、昇格プレーオフ勝者とJ1の18位とは入れ替え戦を実施するほうがいいかもしれない。あるいは、昇格プレーオフ参加のために、順位以外に、たとえば「2位との勝点差10以内」などの条件をつけるといったことも考えるべきかもしれない......。
ま、そんな理屈はともかく、プレーオフ圏内争いとプレーオフを大いに楽しもうではないか。J3も含めて......。
著者プロフィール
後藤健生 (ごとう・たけお)
1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2022年12月に生涯観戦試合数は7000試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。
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