乾貴士(J2清水)36歳が語るプレースタイルの変化「サイドは絶対できない。ドリブラーでもない。乳酸が溜まりすぎて...」 (4ページ目)
【僕はそんなにできた先輩じゃない】
── 話を戻すと、今の乾選手にとって最もプレーしやすいのは、やはりトップ下になるのでしょうか。
「今はそうですね、真ん中のほうが自由に動いて、顔を出してっていうことができるので。間で受けて前を向いて、局面を進めていくプレーのほうが、今の自分には合っていると思います」
── 今季はボランチとしてもプレーしていますよね。
「負けている試合で、点を獲りにいかなければいけない状況の時にボランチの位置に下がりますけど、役割的にはトップ下とそんなに変わらないので、特に違和感なくやれています」
── プレースタイルではなく、年齢を重ねるなかで役割的に変化したことはありますか。
「全然、変わらないですね。昔のままです(笑)。ゴンちゃん(権田修一)がいてくれますからね。ゴンちゃんが言葉でもプレーでもしっかりとチームをまとめてくれていて、僕はどっちかというと、若手とワイワイしながら、チームを盛り上げていくタイプ。その意味ではいいバランスでできているのかなと思います」
── 若手にアドバイスすることはないのですか?
「そんなにできた先輩じゃないですからね(笑)。聞かれたら言うこともありますけど、自分の考えだったり、意見を強要することはあまりないですね。そもそも僕自身も若い頃は、先輩にアドバイスを求めるようなタイプではなかったですから」
── 昇格を目指す戦いのなかで、チームメイトに物足りなさだったり、もどかしさを感じることはないですか。
「なくはないですね。サッカーのベースのところができていないな、と感じることもあります。そのあたりは以前よりも言うようになったかもしれないですね。もしかしたら、ちょっときつい言い方になってしまっているところもあると思いますけど、必要なところは、しっかりと求めていきたいです」
(後編につづく)
◆乾貴士・後編>>岡崎慎司の引退は「寂しい」清武弘嗣の移籍は「鳥栖に絶対合う」
【profile】
乾貴士(いぬい・たかし)
1988年6月2日生まれ、滋賀近江八幡市出身。野洲高2年時に高校選手権を制し、2007年に横浜F・マリノスへ加入。セレッソ大阪での活躍が認められて2011年にドイツ・ボーフムへ。翌年にフランクフルトへ移籍。2015年にからエイバル→ベティス→アラベス→エイバルとスペインで計6年間プレーしたのちC大阪に復帰。2022年より清水エスパルスへ。日本代表・通算36試合6得点。2018年ロシアW杯に出場。ポジション=MF。身長169cm、体重63kg。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
【写真】鮫島彩(37歳)今昔フォトギャラリー「18年間の変化」
4 / 4