Jリーガーの海外移籍が止まらない 代表クラスから青田買いまで「真夏の大移動」を整理してみた (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【欧州主要リーグの移籍市場は8月30日まで】

 ひるがえって、佐野が移籍した鹿島は、2022年まで在籍していた三竿健斗(28歳)を再獲得。ポルトガル(サンタ・クララ)とベルギー(ルーベン)で研鑽を積んだ経験豊富なボランチが、佐野の抜けた穴を埋める役割を担うことになるはずだ。

 出ていく人がいれば、帰ってくる人もいる。三竿と同じく欧州クラブ(セルヴェットFC/スイス)から横浜F・マリノスに帰還した西村拓真(27歳)は、さっそく7月14日に行なわれた23節の鹿島戦のピッチに途中から立って4-1の勝利に貢献。カーザ・ピアAC(ポルトガル)から名古屋グランパスに復帰した相馬勇紀(27歳)も同節の柏レイソル戦にスタメン出場し、いきなりゴールを記録。4連敗中のチームを救う活躍を見せた。

 ほかにも、ガンバ大阪は昨季までシント・トロイデン(ベルギー)でプレーしていた林大地(27歳)を補強。酒井宏樹(34歳/移籍先未定)とアレクサンダー・ショルツ(31歳/アル・ワクラ/カタール)のディフェンス陣が抜けた浦和レッズは、本間至恩(23歳/クラブ・ブリュージュ/ベルギー)と二田理央(21歳/SKNザンクト・ペルテン/オーストリア)の若きアタッカーふたりを迎え入れている。彼ら新戦力のパフォーマンスも、すでに後半戦に突入したJリーグの注目ポイントとなるだろう。

 Jリーグの夏のウインドー(第2登録期間)は8月21日まで開いており、欧州主要リーグの移籍市場は8月30日が締め切りとなる。今後も動きはあるはずで、パリ五輪で活躍した選手に白羽の矢が立つ可能性もあるかもしれない。

 新たな海外組が生まれるのか。国内復帰を決断する選手が現われるのか。もうしばらく、ドキドキを味わえそうだ。

著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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