現役引退後いきなりレノファ山口社長に就任 渡部博文氏に聞く「Jクラブのトップって何をしているの?」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【朝はオフィスの掃除から】

――経営に興味を持っていたようですが、実際の社長業はどうですか?

「計画と実行、そしてイレギュラーへの対応の連続ですね」

――仕事内容についてお聞きしたいのですが、社長はどんなルーティーンを過ごしていますか?

「朝、クラブ事務所に出勤する場合は、会社の掃除からですね。水回りとか、自分で掃除します。会社はお金を生むところでもあるし、『整理整頓を徹底する』っていうのは決めてスタッフにも伝えています。原点に帰るというか、サッカーも仕事も基礎ができて初めて応用にもつながっていくと考えています」

――社長のイメージといえば秘書がいて、決済のハンコを押している感じですが......。

「(笑)。社員は業務委託も多いんですけど、20名程度。部署だけでいうと6つです。なので、ミーティングが多いですね。決済をするのも、資料を読み込んでからの判断が多いので、それに時間を取られます。それから試合の振り返り。細かいところで何が起きているか把握しておかなければいけないので、逐一、報告をもらっていますね。

 監督とは、試合直後に話すようにしています。自分が何か伝えるよりも、監督が自分と話すことで頭のなかを整理できるようにと心がけています。選手獲得に関しても、日々話し合っていますよ。今日も9時から強化ミーティングに出席し、前半戦の振り返りや夏の補強についてなど会議をしてきました」

――元選手の知名度も生かしてクラブの顔になって、市町村への表敬訪問やスポンサー、パートナーのイベント参加などの業務も多いようですが。

「各市町村に、年間に1回は必ず、表敬訪問という形でご挨拶に伺っています。クラブは2021年から地域活性化のために、山口県内全19市町と包括連携協定を結んでいて、各自治体様と連携し、観光PRや様々なアクティベーションを実施しています。スポンサーに関しては、自分たちはパートナーと呼んでいますが、パートナー企業様とタイアップし、トークショーやサッカー大会など様々なイベントに参加させていただいています」

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