Jリーグ序盤戦を中村憲剛&佐藤寿人が斬る「ヴェルディを見ているとフロンターレが昇格した時のことを思い出す」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

寿人 本当にいろんな戦い方があってしかるべきで、ボールを持つチームもあれば、逆に相手にボールを持たせて、カウンターを仕掛けるチームもある。「攻撃が正義」で「守備的な戦い方が悪」みたいな風潮もありますけど、結局、勝つためにその戦い方を選択しているだけであって。プロは結果がすべてですから、そこを徹底して追求しているのが町田の強みなんだと思います。

憲剛 そこへの執念は、図抜けている気がします。際のところで絶対に水を漏らさないことや、とにかく隙を与えないことを徹底していると思う。

寿人 そうなんですよね。

憲剛 2017年から6年間、フロンターレとマリノスが攻撃的なスタイルで優勝争いをシェアしてきたなかで、去年は神戸がコンパクトでコレクティブなハードワークをベースにして戦い、優勝した。同じ年にJ2でも神戸と似たスタイルの町田が優勝し、昇格して、今はJ1で首位。

 攻撃サッカーに対抗するために、強度の高い守備を整備したチームが勝ちはじめているフェーズなのかなと。なので、今度はその守備を打ち破るチームが出てくるはずで、そうやってサッカーは進化していくんですよね。

── 連覇を狙う神戸も、まずまずのスタートをきりましたね。

憲剛 そうですね。今、神戸はディフェンディングチャンピオンという重圧がかかっていると思います。対戦相手の警戒網は、たぶん想像以上のものがある。実際に今年はやりづらさを感じていると思いますよ。すごく研究されているなって。フロンターレも優勝した次の年はそうだったし、寿人も広島の時はそうだったでしょ?

寿人 そうでしたね。

憲剛 やっぱり優勝するとそうなるんです。それをどうかいくぐって成長していくか、という新たなテーマが出てきます。

── 寿人さんの古巣である広島もスタートダッシュに成功しましたね。

寿人 広島もそうですし、セレッソもいいですね。この2チームに共通するのは、同じ監督が継続してチームを作っていて、足りないところをしっかりと補強し、チームに組み込んでいること。

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