2024年Jリーグで上位&優勝が期待できる戦力アップしたクラブはどこか 識者3人が考察 (2ページ目)

【各ポジションに実力者を補強した神戸】

上位進出期待のクラブ/浦和レッズ、ヴィッセル神戸、川崎フロンターレ

原山裕平(サッカーライター)

 今オフの移籍市場の主役となったのは、浦和レッズだろう。MF渡邊凌磨(FC東京)、FW前田直輝(名古屋グランパス)、FWチアゴ・サンタナ(清水エスパルス)ら実力者を迎え入れ、ベルギーからMF松尾佑介(ウェステルロー)も復帰させている。

 目玉となりそうなのはローマ(イタリア)から加入したMFオラ・ソルバッケンだ。ノルウェー出身の長身ウインガーは、昨季得点力に課題を抱えた浦和の攻撃力を高められる存在だろう。

 さらにスウェーデンからはボランチのMFサミュエル・グスタフソン(ヘッケン/スウェーデン)も加わった。すでに盤石を誇るDFアレクサンダー・ショルツとDFマリウス・ホイブラーテンのセンターバックコンビの存在もあるだけに、守備の強固さもさらに担保されそうだ。

 ただし、全体的には前傾姿勢で、人材を整理した最終ラインの選手層には不安を残す。とりわけMF明本考浩(ルーヴェン/ベルギー)とDF荻原拓也(ディナモ・ザグレブ/クロアチア)が抜けた左サイドはアキレス腱となりそうな予感。それでもそのマイナス要素を補って余りある陣容を手に入れたと言えるだろう。

 王者のヴィッセル神戸は昨季の主軸をすべてとどめた一方で、MF井手口陽介(アビスパ福岡)、FW宮代大聖(川崎フロンターレ)、DF岩波拓也(浦和)と各ポジションに実力者を補強。レギュラーとサブ組の力の差が明白だった昨季の課題を解消すべく、リーグとACLの両立を実現し得る的確な補強を行なった印象だ。

 川崎フロンターレは、黄金期を支えたDF登里享平(セレッソ大阪)、DF山根視来(ロサンゼルス・ギャラクシー)、FWレアンドロ・ダミアン(未定)らがチームを去った一方で、MF山本悠樹(ガンバ大阪)、DF丸山祐市(名古屋)、日本代表にも選ばれたDF三浦颯太(ヴァンフォーレ甲府)を獲得。オランダのNECナイメヘンからDFファン・ウェルメスケルケン・際も加えている。

 さらにブラジルからFWエリソン(サンパウロ/ブラジル)、MFパトリッキ・ヴェロン(バイーア/ブラジル)、MFゼ・ヒカルド(ゴイアス/ブラジル)も加入と大量補強で、覇権奪還を狙っている。

 戦力の大きな入れ替えは評価が難しいと見る向きもあるが、8年目を迎える鬼木達監督の手腕で新加入選手が川崎のスタイルにフィットするだろう。そうなると上位進出は十分に期待できる。

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