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村井満×ジーコ対談 「異端のチェアマン」が「神様」と親友になったキッカケ (4ページ目)

  • 宇都宮徹壱●司会・文 host & text by Utsunomiya Tetsuichi

村井 それで私は、どうしてもシャペコエンセを弔問して、会長にお悔やみを申し上げたかった。けれどもブラジルには、まったくコネクションがなかったんです。そうしたらジーコさんが「一緒に行ってあげるよ」って言ってくれたんですよ。

── これ以上ない、心強いガイド役ですね!

村井 それでふたりして国内線で移動したんですけれど、VIPラウンジではなく普通の待合室で飛行機を待っていたら、次から次へと現地の人たちがジーコさんとの2ショット写真をねだってくるんですよ。それで私がカメラマン役を買って出たんですが(笑)、どんな時でもファンサービスを欠かさないジーコさんの姿を見て「この人は本当にプロなんだな」とあらためて思いました。

ジーコ 2017年の年末にも、私が主催するチャリティマッチに、わざわざ30時間くらいかけてリオまで来てくれましたよね。村井さんはとんぼ返りで帰国されましたが、実は2年後に私も同じことをやっているんですよ。

村井 2年後というと2019年ですね?

ジーコ その年の年末もリオでチャリティマッチを開催したんですが、2020年の元日に鹿島と神戸による天皇杯決勝があったんです。勝っていればよかったんですが、負けてしまったので、どっと疲れた気分でブラジルに帰国することになりました。村井さんはチャリティマッチを楽しんで帰国したから、同じ30時間のフライトでも私ほど疲れなかったと思います(笑)。

【1993年5月15日の開幕戦はどちらもテレビ観戦】

── 今年、Jリーグは30周年を迎えました。ジーコさんといえば、名古屋グランパスとの開幕戦でハットトリックを決めたことで知られていますが、Jリーグ開幕はその前日の1993年5月15日。国立競技場で開催されたヴェルディ川崎vs.横浜マリノスが開幕戦でした。ジーコさんはテレビ中継をご覧になったのでしょうか?

ジーコ 次の日に大事な試合を控えていましたが、もちろんテレビで観戦していました。日本のサッカー界のなかでも強豪で知られる2クラブ同士の対戦ですからね。私にとっても非常に刺激的に感じられましたし、盛り上げ方もすばらしかった。ここから日本サッカーの新しい時代がスタートする、ということが強く感じられました。

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