J2ウォッチャー平畠啓史が今季見つけた、語らずにはいられない好プレーヤー5人 (3ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【大卒ルーキーで13ゴール】

小森飛絢(ジェフユナイテッド千葉/FW)
こもり・ひいろ/2000年8月6日生まれ/身長178cm、体重73kg

 2023シーズンで小森飛絢選手はおさえておかないといけない。大卒ルーキーで13ゴールってやっぱりすごい立派だと思います。J2得点ランキングでも4位に入りました。

 できるプレーの引き出しが多いですよね。13点も取っているんでシュートもうまいんですが、だからといってシュートを打つためだけにプレーしている感じではなくて、ポストプレーもできるし、裏にも抜けられるし、守備もします。周りとのコンビネーションもうまく合わせられる。

 得意なプレーがあると思うんですけど、それに固執しないというか、状況に応じて一番いいプレーを選択できる。自分がやりたいプレーもそうだけど、チームが苦しい時にひとりでボールを受けて、ちょっとドリブルで運んで時間を作ったりとか。

 点を取ることだけじゃなくて、いろんなプレーでチームのために戦う。大卒ルーキーだと、もっと自分のプレーに必死になってしまいそうじゃないですか。

 自分のプレーにある程度自信があるんじゃないかと思います。だから慌ててバタバタすることがない。やっぱり自信がなかったら、何かが足りないんじゃないかとか、何かを変えないといけないんじゃないかとか、考えがちだと思うんです。だけど、自分のプレーに徹していますよね。

 小森選手って背番号がはっきり見えるんですよ。背中が大きい。それって僕は結構大事だと思っていて、体を鍛えるとか、筋肉をつけるとかありますが、そうじゃなくて背中が大きい。

 それってスポーツ選手全般的にも、特にサッカーのFWにおいて大事だなと。背番号がはっきり見えて、くしゃくしゃにならない。細くてユニホームが大きいと、ユニホームがくしゃくしゃになるじゃないですか。それは小森選手を最初に見た時から感じていました。

 あの背中だとちょっとくらい当たられても余裕がある。精神的にも戦えて、今シーズンのジェフのなかでも際立っていたし、大卒ルーキーもいろんな選手がいましたが、そのなかでも活躍した選手。

 意識の高さもあるし、びびっている感じもない。大卒ルーキーって早く結果を出さないといけないなかで、期待されて入ってきても結果に結びつかない選手もいる。その状況で1、2年目って勝負だと思うんです。そこで13点取ったのはすばらしかった。

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