Jリーグの「もったいない実力者たち」が夏の移籍で躍動 犬飼智也、マルコス・ジュニオール...などチームの穴を埋め成績にも好影響 (2ページ目)
柏レイソルに移籍して存在感を示している犬飼智也この記事に関連する写真を見る だが、経験豊富な30歳のDFをシーズン途中にして獲得したのは、J2降格危機にあえぐ柏レイソル。すると、8月以降のリーグ戦全5試合に先発出場し続けた犬飼は、攻守両面で最終ラインを安定させ、チームに5戦無敗(2勝3分け)の好成績をもたらした。
「声を出してくれたり、チームをまとめるリーダーシップが必要だった」
そう語る柏の井原正巳監督は、「ディフェンスの安定感を引き出してくれる」と夏の移籍市場で獲得した新戦力を絶賛。犬飼自身も、「若い選手は自分のプレーに集中するのがベスト。自分が引っ張っていく年齢になって、そういう立場で呼ばれたのもあるし、いろんないい先輩から吸収してきたものをプレーで出せている」と、新天地での手応えを口にする。
彼らふたりに共通するのは、最近は所属クラブで出場機会に恵まれていなかったこと。と同時に、すでにJ1での十分な実績があったことだ。
ベンチ、あるいはスタンドに座らせておくだけではもったいない実力者が、こうして再びピッチでハツラツと動き回る機会を得たことは、貴重な新戦力を手にした当該クラブだけにとどまらず、Jリーグ全体にとっても有益なことだろう。
何より、選手自身がサッカー選手としての最高の喜びを味わっていることは言うまでもない。
「浦和でやっていた時は、どうしてもポイント、ポイントでしか(試合に)出られなかった。1カ月とか、 2カ月とかに1回のペースで試合に出ると、やっぱり最後は体がきつかったりする。それはどれだけトレーニングで追い込んでもうまくいかなかった。やっぱり試合に出ることが一番だなっていうのは感じている」
そう語る犬飼は、清々しい表情で「(1週間に1回という)試合のサイクルをベースに体も作っていけるようになった」と言い、「今は充実している」と笑みを浮かべる。
出番に恵まれず、くすぶっていた選手が、水を得た魚のように生き返る――。夏の移籍の醍醐味である。
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