浦和のアレクサンダー・ショルツが感じている日本サッカーの課題 気になるゴール前の選択 (3ページ目)
【クラブW杯での楽しみは南米との対戦】
その日本サッカーのレベルを試す機会が今年12月に訪れる──浦和がアジア王者としてクラブW杯に参戦するのだ。そこではアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)やカリム・ベンゼマ(アル・イティハド)といった世界のトップストライカーと対戦する可能性もある。だがそれについても、ショルツは彼らしい回答で応じた。
「私が楽しみにしているのは、未知のチームとの対戦だ。欧州の代表クラブよりも、南米の代表クラブと戦ってみたいよ。ビッグネームにはとくに興味がないんだ。昨年、パリ・サンジェルマンが日本に来て浦和と親善試合をしたんだけど、私は体調不良で出場しなかった。
すると周りの人のなかには、『PSGと対戦できなくて残念だね!』と言ってくる人もいたが、私にはどうでもよかった。フレンドリーマッチでプレーすることに意味を見いだせないし、そこでケガの心配をするくらいなら、出ないほうがマシだよ」
穏やかながら強い芯を持ち、独自の視座で世界を眺めるスカンジナビア出身の守備者が、これからもアジア王者を支えていく。
(おわり)
アレクサンダー・ショルツ
Alexander Scholz/1992年10月24日生まれ。デンマーク・コペンハーゲン出身。浦和レッズ所属のDF。身長189cm、体重84kg。母国のヴェイレBKでキャリアをスタート。アイスランドのストヤルナンを経て、2012年からベルギーのスポルティング・ロケレン、スタンダール・リエージュ、クラブ・ブルッヘでプレーした。2018年からはデンマークに戻り、FCミッティランで3シーズンプレー。この間CL出場やデンマークリーグのMVPを獲得。2021年シーズンの途中から浦和へ加入し、プレーしている。
著者プロフィール
井川洋一 (いがわ・よういち)
スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。
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