日本代表10番を背負った中島翔哉は浦和の重要なピースとなるか?「時間はかからない」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

「(浦和には)いい選手もたくさんいるので、次はよりいいプレーができるじゃないかなと思う。できる限り一番いいパフォーマンスが出せるようにしていきたい」

 そんな中島のJリーグ復帰を喜んでいるのは、味方ばかりではない。

"先輩"の帰還を歓迎するように、途中交代でピッチに入ってきた中島とタッチをかわしたのは、横浜FMのDF畠中槙之輔である。

「久々に同じピッチで試合をしたが、相変わらず楽しそうにサッカーをしているなという印象を受けた」

 そう語る畠中は、中島の一学年下ながら、東京ヴェルディのアカデミー時代からトップ昇格に至るまで、長く一緒に戦ってきた元チームメイトだ。

 だからこそ、「ボールを持ったら何をしてくるかわからない怖さを、誰よりも持っている。そういう選手だということは、昔からわかっている」と畠中。「翔哉くんはこれからどんどんコンディションを上げてくると思うので、次の対戦がすごく楽しみ」と話し、笑顔を見せる。

 中島のJリーグ復帰戦は、アディショナルタイムを含めても20分足らずの出場。ほとんどボールにもかかわれず、これだけで日本代表復帰をどうこう言うのは、さすがに気が早いと言わざるを得ない。

 しかし、畠中の言う「ボールを持ったら何をしてくるかわからない怖さ」が戻ってくれば、中島の存在が再び脚光を浴びる可能性は高いだろう。

 決して多くを語らない中島も、秘めた自信をうかがわせるようにこんなことを話している。

「自分がやりたいことはみんな、わかってくれているので、ここで試合を重ねれば、もっともっとコンビネーションとかもよくなる。もともと知っている選手もたくさんいるので、(チームに適応するまで)あまり時間はかからないと思う」

 この2、3年は思うようなステップアップができなかったとはいえ、今年8月23日に29回目の誕生日を迎える28歳は、まだ肉体がさびつく年齢ではない。

 アイデアに富んだ中島翔哉らしいプレーが、Jリーグで再び見られることを楽しみにしたい。

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