横浜F・マリノスの選手が語るJリーグでは経験できないマンチェスター・シティのスゴさとは (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「(ストーンズが)ボランチに上がってくるイメージは持っていたけど、だた上がってくるだけでなく、自分がフリーだったらドリブルで運んでくるし、ゴール前にも入ってくる。あそこまで動くとは思っていなかった。センターバック(の選手)であのプレーができるとなると、どうしようもない。中盤がひとり増えることで、常に数的不利だった」

 そう振り返ったのは、喜田とのコンビで2ボランチを務めた、MF渡辺皓太である。今季J1で出色の働きを見せるボランチは、なかば呆れ顔で相手の"偽センターバック"についてこう語る。

「(自分の周りに)常に相手がいっぱいいるみたいな感覚で、ボールを取りにいこうにもいけなかった。相手は選択肢が3つ、4つある感じで、余裕を持ってプレーさせてしまった印象がある」

 ならば、どう対応すべきだったのか――。

 そんな問いに対して、「本当は(ボールを)取りにいきたかったけど、なかなか取りにいけなかった。マンツーマンでハメていくことができればいいけど、(1対1の局面を)個人ではがされたりもするんで......」と渡辺。

「Jリーグでは経験できない相手だったので、正直、今はまだ何が正解かわからない」と、素直な気持ちを口にした。

 マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が「(横浜FMは)切り替えが早く、難しい試合になった」と話していたように、横浜FMはボールを保持して相手を押し込み、素早い攻守の切り替えを連続して行なうことで、主導権を握る戦いを得意としている。

 つまりは、マンチェスター・シティと共通するスタイルを志向しているチームであり、だからこそ、マンチェスター・シティのスゴさを真に理解できるチームだとも言える。渡辺は脱帽のていで、感嘆の声を上げる。

「自分たちがああいうサッカーをしたいと思っているので、本当にいい参考になった」

 たかがプレシーズンマッチ。されどマンチェスター・シティ。

 欧州王者は日本の酷暑をものともせず、"本物"の力を見せつけた。

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