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横浜FM、神戸、名古屋、浦和のJ1優勝争いを福田正博が解説 後半戦、抜け出すのはどのチームか? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Kishiku Torao

【神戸は大迫勇也と武藤嘉紀を休ませられるか】

 この横浜FMを追う神戸は、第20節でアルビレックス新潟に1-0で勝利した。開幕から守ってきた首位の座を明け渡したものの、ズルズルと後退せずに踏みとどまってきたなかでの勝ち点3は大きい。

 しかし、神戸が初のリーグ優勝に向かうには心配な面がある。それは攻撃的なポジションでの選手層の薄さで、顕著なのが大迫勇也と武藤嘉紀のプレータイムだ。大迫も武藤も多くの試合でキックオフから試合終了までピッチに立っているケースが少なくない。

 交代枠が5人のなかでは、本来ならばふたりをゲーム終盤はベンチで休ませたいところだが、試合展開だったり交代選手の力だったりで、それが満足にはできていない。これが今後のリーグでどういった影響をもたらすのか。

 長いシーズンを考えれば、経験があって、チームにとって替えのきかない選手であればこそ、コンディショニングや故障予防の面などから敢えて休ませる判断も必要だろう。もちろん、吉田孝行監督もその点は理解していると思うが、目の前のゲームを落としてしまっては交代させても意味がなくなるという葛藤もあるはずだ。

 そうしたなかでは、クラブのフロントが後方支援をしっかりできるかも、タイトル獲得には大事な要素になってくる。神戸はアンドレス・イニエスタがチームを去り、またここまで活躍していない外国籍選手もいる。彼らを整理しながら、大迫と武藤の代わりがつとまる選手を獲る動きがあってもいい。

 無論、1試合を通じて大迫と武藤の代わりをつとめられる選手は、そう簡単に見つかるものではない。それができるレベルの選手を獲れるに越したことはないが、タイトル獲得のために求められるのは、大迫と武藤を試合終盤の15分くらい休ませられる選手でいいはずだ。その仕事も決して簡単なものではないものの、ふたりの存在が神戸の優勝のためには不可欠なだけに、そういう補強をしたほうがいいのではないかと思う。

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