秋葉忠宏が低迷する清水エスパルスの監督を受けた理由「普通だったら受けなかったけど、成功体験があったのが大きい」 (3ページ目)
――リオでは、指導者としてのキャリアがひとつ上がった感があった。
「監督になると決断しなきゃいけないので、そこは難しいですが、コーチとしていろいろ言えたことはよかった。指導者も経験が必要ですし、その経験を活かす場が必要です。だから、僕はW杯も2大会連続で監督をやったほうがいいと思っています。西野(朗・元代表監督)さんがロシアW杯の時、『初戦じゃなく決勝までの7試合をどうマネジメントするかが大事』とよく言っていたんです。今まで日本は初戦からフルパワーで戦っていたけど、それじゃ決勝までの7試合は戦えない。スタートはもっとゆるくていい。森保(一・日本代表監督)さんは1度W杯を経験し、次のW杯では決勝トーナメントを見据えて戦える。先のことを戦いながら考えられる指導者じゃないとベスト8はもちろん、優勝なんて狙えないと思います」
――秋葉監督自身の野心はありますか。
「代表監督をやりたいですね。今のところ五輪とU-17、U-20、A代表しかW杯はないですけど、死ぬまでにどのカテゴリーでもいいのでチームを率いて世界一になりたい。年齢別世代のコーチをしていた時、ドイツやイングランドに行くとそこのコーチに『内容は日本がいいし、中盤はうまい。でも、一番大事なゴールは俺らが勝っている』と言われて、悔しくてね。『いつか、お前ら見てろよ』と思っているんです。でも、世界は下の世代からこつこつ強くなって、彼らがA代表になった時、初めて狙える。実際、(小野)伸二たちがワールドユースで準優勝したあとのA代表が一番強かった。世界を狙えるチームになった時、何かしらで携わっていたいですし、優勝トロフィーを掲げたいんですよ。『それ、見たことか。これが日本やぞー』って叫びたいんです」
著者プロフィール
佐藤 俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。
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