柏レイソルが「小柄なダイナモ」の活躍で今季初勝利も昨季の繰り返しになりかねない

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Maiki

 気迫みなぎる、柏レイソルの今季初勝利だった。

 前節終了時点でまだ勝利がなく、4敗2分けの勝ち点2。泥沼の最下位(18位)に沈んでいた柏が、ようやく初めての勝ち点3を手にしたのは、J1第7節。ホームに鹿島アントラーズを迎えての一戦である。

 立ち上がりから鹿島のハイプレスに苦しみ、自陣に押し込まれる時間が続いた柏だったが、徐々にパスをつなげるようになった前半32分、FW細谷真大のゴールで先制。その後は、GK松本健太をはじめとする守備陣だけでなく、前線も含めたチーム全員が集中力をきらすことなく、鹿島の攻撃を防ぎ続け、虎の子の1点を守りきった。

 昨年8月(J1第24節京都サンガ戦)以来となる勝利に、チームを指揮するネルシーニョ監督も、選手への賛辞を惜しまなかった。

「ピッチに立った選手たちが最後までハードワークしてくれて、何としてでも勝たなければいけないというところで、すばらしい結果を残してくれた」

 最後は気持ち――。言い尽くされた言葉かもしれないが、その重要性を改めて思い起こさせるような、チーム全体の執念が感じられる勝利だったことは間違いない。

 なかでも、出色の働きが目についたのは、ボランチのMF戸嶋祥郎だ。

今季初勝利を飾った柏レイソル。なかでも、際立った活躍を見せた戸嶋祥郎今季初勝利を飾った柏レイソル。なかでも、際立った活躍を見せた戸嶋祥郎この記事に関連する写真を見る チームトップの走行距離12km超を記録した運動量は言うまでもないが、それ以上に際立っていたのは、ボールを持った時の積極的な姿勢。中盤の底に位置する戸嶋が、常に前方向を意識したプレーを選択していたことが、チーム全体を相手ゴール方向へと向かわせた。

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