柏レイソルが「小柄なダイナモ」の活躍で今季初勝利も昨季の繰り返しになりかねない (3ページ目)
MF山田康太、MF仙頭啓矢、MF高嶺朋樹、DF片山瑛一、DF立田悠悟ら、いわゆる"ボールを動かせる"選手が移籍加入。そこでは、相手ありきの受け身のサッカーではなく、自分たちで主導権を握ったサッカーが展開されるのではないかと期待された。
事実、4-3-3で挑んだ開幕戦(対ガンバ大阪)の先発メンバーは、11人のうち5人が新戦力。2-2の引き分けに終わったものの、新生レイソルの誕生を予感させる試合は、決して悪い内容ではなかった。
ところが、開幕から2戦連続で引き分けると、続く第3節からは4連敗。しかも、そのうちの2試合で3失点の大敗を喫したとあって、方向転換を余儀なくされたというのが現状だろう。
鹿島戦で見せた4-4-2は、現実的、かつオーソドックスなもの。攻撃は2トップの個人能力に頼りつつ、まずは守備のバランスを崩さないことを優先させた戦いだった。1点を守りきっての今季初勝利は、その判断が功を奏したとは言えるだろう。
しかしながら、これでは結局、昨季の繰り返しになりかねない。
若手の台頭があり、将来への収穫があった昨季は、その一方で、戦術的にはジリ貧状態。長期的強化という視点に立った時、このままではいけないと判断し、舵をきったのが今季ではなかったか。
だとすれば、応急処置で手にした1勝を喜んでばかりもいられない。
見ている者にも、絶対に勝ちたいという気持ちが伝わってくる試合は見応えがあった。そこで手にした今季初勝利が、称賛に値するものだったことは間違いない。
だがしかし、その本当の価値を判断するのは、もう少し先まで待つ必要がありそうだ。
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