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いまだ勝てないガンバ大阪に何が欠けているのか スペイン人指揮官が志向するサッカーと「恐怖の問題」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【町野修斗も語っていた「脆さ」】

「代表で対戦したコロンビアのディフェンダーは、球際のところで、全力でボールを狩りに来るんですよ。仲間を戻すために、プレーを遅らせるとかは一切ない。そのディフェンスを受けていたので、そこはJリーグでは余裕を感じてできました」(湘南・町野修斗)

 G大阪の仕組みは脆かった。

 湘南は町野を中心に勢力を盛り返し、優位に立つ。21分、相手のクロスを跳ね返したあと、町野がポストに入ってロングキックを味方に落とす。それで裏に走るだけの、可能性は乏しいカウンター攻撃だったが、出てきたGK谷晃生が一瞬ボールの処理に迷い、クリアミス。これを町野がかっさらい、先制に成功した。

 勝てないチームの悪循環で、失点によって想像以上の不安に駆られる。以降は、すべてのプレーが後手に回った。数的な問題もポジション的不利も、修正を施すことができないまま、たて続けに失点を浴びた。

 2失点目も、何気ないロングキックから局面の対応でクロスを上げられるまで、3度も敗れている。最後はクリアが味方に当たった不運とも言えるが、当てたほうも当てられたほうも、このレベルではミスと言っていいだろう。五分五分のボールに対し、弱さを見せた結末だ。

 3失点目は、すでにミスで動揺していた谷に集約されていた。FKのボールに飛び出しながら、ボールを弾き出せていない。マイナスを取り返したいという逸る気持ちが露骨で、とにかく焦っていた。

 ポヤトス監督は、「ふたりのレベルの高いGK(谷と東口順昭)がいることで、お互いがナーバスになっているのでは」という趣旨の質問に対して、「FWが決定機を外すよりも、GKのミスは目が向けられる」と擁護していた。その姿勢は正しいが、ミスのたびにGKを入れ替えていては安定しないだろう。GKはFWと違ってナーバスなポジションで、このままではお互いがプレーを劣化させる悪循環だろう。

 4失点目を食らったあとのハーフタイム直前、ようやくポヤトスは鈴木武蔵を下げてイッサム・ジェバリを投入。後半の頭から福岡将太を入れ、3バックに変更し、ネタ・ラヴィをアンカーに入れ、バックラインのスペースを守った。前に対する圧力が増し、後ろの不安が消え、ほぼワンサイドゲームになった。だが、時すでに遅し......。

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