いまだ勝てないガンバ大阪に何が欠けているのか スペイン人指揮官が志向するサッカーと「恐怖の問題」 (3ページ目)
ポヤトスが志向するサッカーをするには、いくつか致命的なポジションがある。センターバックは、つなぎのところで人材的に苦しい。中盤も攻撃的な性格の選手が多く、後ろでゲームをコントロールできるタイプが見当たらない。前の人材はいるが、いわゆるウイングが不在で、スペイン人指揮官は「代用の食材」で料理をしている格好だ。
「ガンバの流れを変えなければならない」
ポヤトスはそう言うが、彼自身も手探りだろう。指導者キャリアのほとんどをユース年代の監督で過ごし、プロの監督歴は日本に来る直前、ギリシャのクラブを3試合で更迭されただけ。徳島ヴォルティスではチームをJ2へ降格させ、翌シーズンはJ1昇格プレーオフにも持ち込めなかった。
4月9日、ガンバは本拠地で一昨シーズンの覇者である川崎フロンターレと対決する。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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