「ヴェルディでは『もう無理だ』と思って逃げました」小林祐希が明かすジュビロへの移籍の真相とチームを変えるということ (4ページ目)
2022年7月、小林は韓国から帰国し、ヴィッセル神戸に加入した。
6年ぶりの国内リーグの復帰となった神戸で、小林は後半戦から出場をするようになったが、それには大きなきっかけがあった。
「僕は、めちゃくちゃスピードがあるわけではなく、体がすごく強いわけでもない。周囲とのパスワークで相手をはがして、決定的なパスを出したり、ゴールに絡むタイプなんです。だから、神戸の監督はどこで使ったらいいのか、すごく悩んだと思うんです。
そんな時、代表で一緒にプレーしていた仲間が『祐希をトップ下にしたほうがいい。中間ポジションでボールを受けてくれれば、リズムを作れるし、守備でも前から追ってくれるから』っていう雰囲気を練習の時から作ってくれた。そういう周囲の後押しがあって、試合に出られるようになったんです。だから、チームメイトにはすごく感謝しています」
仲間たちの目に狂いはなかった。9月14日のFC東京戦からトップ下で出場すると、2-1の勝利に貢献。7試合続けてトップ下でプレーし、5連勝を果たした。
神戸のJ1残留に尽力。当初は、今シーズンも神戸でプレーする気持ちでいた。しかし、札幌のラブコールに応え、小林は30歳で9チーム目となる札幌への移籍を決めた。
今や、若い選手がどんどん海外へ移籍し、J2で結果を出した選手がJ1に個人昇格を果たすことはトレンドとなっている。そうやって、さらなる飛躍を遂げていく選手がたくさんいる。
移籍というものは、選手個々に何をもたらしてくれるのだろうか。
「自分はJリーグでデビューして海外に行ったけど、国内でコツコツやっていくのも、いきなり欧州に行くのも、どっちの道も間違いだと思わない。選手は試合に出てナンボなので、自分で決断したところで思いきり暴れたらいいんじゃないかなと思います。
とにかく(移籍先に)行ってやってみないとわからないことが多いし、そこで無理だと思えば出ていけばいい。でも、活躍できたら、いろんなものを手に入れられる。自分次第ですが、"移籍"というチャレンジは自分を成長させてくれると思います」
(つづく)
小林祐希(こばやし・ゆうき)
1992年4月24日生まれ。東京都出身。東京ヴェルディの下部組織出身のMF。2011年にトップチームに昇格。2012年にはキャプテンを任されるも、同年夏にはジュビロ磐田に移籍した。その後、2016年夏に海外へ。オランダ、ベルギー、カタール、韓国のチームでプレーし、2022年にヴィッセル神戸入り。そして今季、北海道コンサドーレ札幌に完全移籍した。
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