FC東京が強くなっている「どこかのコピーではない」アルベル監督が目指すのは成功した新潟スタイルではなく「東京オリジナル」 (3ページ目)

　現状において威力を発揮し、相手チームの脅威となっているのは、やはりハイプレス。敵陣でボールを失った瞬間のカウンタープレスも含めた、攻撃的な守備である。

　中盤でボールを奪い、そのまま一気に縦方向へスピードアップし、幅を作って間を切り裂く。そんな攻守一体のプレーが、多くのチャンスを作り出すことにつながっている。

　そこに見られる戦い方は、強く、激しい。アルベル監督からイメージされるスタイルとは、少々趣が異なるものだと言ってもいいのかもしれない。

　だが、ハイプレスの強化は世界的な潮流に沿ったものであり、現代サッカーにおいて決して特別なものではない。むしろポゼッション偏重のスタイルをイメージすることこそ非現実的、なのかもしれない。

　アルベル監督は語る。

「私が目指しているスタイルはどこかのコピーではない。バルセロナと同じスタイルを予想するかもしれないが、それは間違いだ。私もチームに適応し、"東京オリジナル"のスタイルを確立したい」

　なるほどピッチ上で繰り広げられるサッカーに、バルサ的要素は薄い。外野の勝手な期待にも応えているとは言い難い。

　だがしかし、新たな武器を携えた今季、FC東京が強くなっていることは確かである。