FC東京が強くなっている「どこかのコピーではない」アルベル監督が目指すのは成功した新潟スタイルではなく「東京オリジナル」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 30周年の節目となる2023年シーズンが幕を開けたJ1は、これまでに2節を終えた。

 たかが2節、されど2節。まだまだシーズンは始まったばかりとはいえ、そのなかでもはっきりとうかがえる傾向がある。

 それが、ハイプレスの強化だ。

 裏を返せば、それだけDFラインから攻撃を組み立てるチームが増えてきたということなのだろうが、敵陣深くからでも強度の高いプレッシングを仕掛けるチームが増えたのは確かだろう。

 そのひとつが、FC東京である。

 2-0と勝利した開幕戦の浦和レッズ戦では、立ち上がりから全体が敵陣へと押し上げていく果敢なプレッシングを披露。前半こそスコアレスで折り返したものの、後半に入るとさらにハイプレスを強め、浦和を圧倒することに成功した。

 また、続く第2節の柏レイソル戦では、前半25分に先制を許しながら、徐々に相手への圧力を強めることで試合の流れを引き寄せた。

 特に後半は強風の風上に立ったこともあり、ロングボールで逃げることができない柏に対し、強烈なハイプレスを敢行。結果的に得点は前半36分の1点にとどまり、引き分けに終わったものの、相手選手を自陣に閉じ込め、主導権を握り続ける戦いぶりは十分な迫力を感じさせるものだった。

 FC東京のアルベル監督も、柏戦のあとにはこんなことを話している。

「リーグ戦は長いので、継続したプレーが必要になる。勝利に値するプレーをしても勝てない試合もあれば、チャンスが少なくても2点取れる試合もある。いずれにせよ、今日のようなプレーが我々が進むべき道だ」

柏レイソル戦でも強く、激しいスタイルで試合の主導権を握っていたFC東京柏レイソル戦でも強く、激しいスタイルで試合の主導権を握っていたFC東京この記事に関連する写真を見る

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