クライフから大きな影響を受けたダニエル・ポヤトス監督が、ガンバ大阪を「本来いるべき場所」に導く (3ページ目)
チームづくりを始めるにあたり、昨年の戦いを見返したなかで必要だと感じたのは、チームスタイルの構築と徹底だ。また「それを裏づけるメンタリティも取り戻したい」と語気を強めた。
「私は常々、すべての監督に最大限のリスペクトを持っています。これまでガンバの監督をされてきた方も、その瞬間、瞬間ですばらしい仕事をされたと思います。ただ昨年は、本来ガンバが大切にしていたはずのボールやゲームを支配する意識をはじめ、仮にボールを失っても素早く奪い返す力、常に意識をゴールに向けて戦う姿は、少し薄れているように感じました。
その一番の理由は、メンタリティにあると考えています。ガンバにはすばらしいポテンシャル、技術を備えた選手が数多く在籍していますが、昨年のガンバは試合のなかで予期せぬ現象、自分たちにとって不利な状況が起きた時に、自分たちがやろうとしているサッカー、プレーができなくなってしまうまでのスピードがとても速かった。
もちろん選手も人間で、恐怖心を抱くこともあって当然です。ただ、それを振り払い、恐れずに立ち向かう姿を常に示していけるチームになるには、確固たるチームスタイルとそれを貫こうとするメンタリティが不可欠です。それを今一度取り戻せるように、ふだんの練習から勝ち負けを意識させながら、ポジションごとの競争力を促していきたいと考えています」
実際、このプレシーズンは選手と積極的にコミュニケーションを図りながら、個々の特性に目を光らせ、ポジションごとの競争を促してきた。その過程では、選手に向けて繰り返し「『うまくいかないから違うことをやろうということは絶対にない』『今やっていることをよくしていくという選択肢しかない』と伝えられてきた」(宇佐美貴史)と聞く。そのプロセスを怠らなければ、望む結果はついてくる、と。
「昨年、ガンバはすごく苦しい残留争いに巻き込まれました。もっと言えば、2015年を最後に"タイトル"からも遠ざかっています。
我々は、その立ち位置もしっかり受け止めなければいけないと思っています。もちろん、先ほどもお話ししたように、ガンバが日本を代表するクラブであることも、このクラブで監督を預かる重みもしっかりと受け止めています。
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