遠藤保仁は「10分あれば、変えられるところはあるなって」。カタールW杯の日本代表をどう見たか。ジュビロ磐田のJ2降格も語った (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

 と同時に「W杯、やっぱりいいな〜」と思いながら見ていたと素直な胸の内を覗かせた。

「前回もそうですけど、純粋に思ったのはやっぱり『出たいな〜』ってこと。きっと、過去に出場経験のある選手ほど"出たい"って欲が出る舞台だと思う。だから......僕も10分でいいから出してほしかった (笑)。

 もちろん、ボランチは90分を通して何ができるかを考えながら組み立てていくポジションだから、長い時間ピッチに立っていたほうがいいに決まっているけど、『10分あれば、変えられるところはあるな』って思いながら見ていました。仮に、展開的にパワープレー気味になっちゃっていたら、僕のよさを出すのは難しいかもだけど......まぁでも、10分あればいけるかな」

 そんなふうに想像を巡らせることは、新シーズンをスタートするにあたっての自分に何か刺激になったのかと尋ねると「いや、見るワールドカップは基本、純粋にサッカーを楽しんだだけだから、それはないな」と遠藤。「やっぱ、サッカーはやるほうが楽しいし、プレーしてみないとわからないことがたくさんあるから」と言葉を続けた。

ジュビロでもう一回結果を出して
J1に戻したいと思っていた

 昨シーズンは、チームとして3年ぶりのJ1リーグを戦ったジュビロだったが、最下位に沈み、1年でJ2リーグに逆戻りになった。シーズンが始まる前から「目標はJ1残留」だと話していた遠藤は、それが叶えられなかった事実をどう受け止めたのか。

「2021年はJ1で戦えるチームになることを意識しながらJ2を戦って、昇格はできたものの、アクシデント的に監督が交代になって。そのなかで、目指す方向性は同じでも、当然ながら監督が変わればやり方も変わるし、戦術の浸透にも時間がかかるから。

(伊藤)彰さん(現ベガルタ仙台監督)のサッカー観は個人的にはすごく面白く感じていたけど、それを(選手)全員が自分のモノにしてチームとしての機能につなげるには時間がかかるし、ましてやそれを昇格してきたばかりのチームがJ1でやろうとすると、正直『時間が足りないな』とは感じていました。

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