Jリーグ30年のベストイレブンは誰か? 長年ピッチを取材してきたベテランジャーナリストたちが選んだ11人 (4ページ目)

【久保竜彦は見る者を驚かせた】

国吉好弘(サッカージャーナリスト)

この記事に関連する写真を見るFW/久保竜彦、三浦知良 
MF/三笘薫、家長昭博 
MF/中村憲剛、中村俊輔、遠藤保仁 
DF/今野泰幸、田中マルクス闘莉王、塩谷司 
GK/楢﨑正剛

 Jリーグ30年から選ぶベストイレブンということで、縛りはJ1優勝に貢献していること。中村俊輔はステージ優勝のみだが、2度MVPになっているので例外とした。Jリーグでタイトル獲得に繋がるプレーを見せ、活躍したことに加えて、見ていてワクワクさせられた選手、次の試合も見たいと思わされた選手を選んだ。

 GKは20年以上にもわたって安定感抜群のプレー見せ、名古屋グランパスの初優勝に大きく貢献した楢﨑正剛。

 DFでは楢﨑と共に名古屋を優勝に導き、浦和でもタイトルを獲得、圧倒的な存在感と攻撃力を発揮した田中マルクス闘莉王。キック、ヘッドとも強くて精度が高く、サンフレッチェ広島の3度の優勝に貢献した塩谷司。中盤でプレーすることも多かったが、守備のセンスはピカ一だった今野泰幸を選出して3バックに。

 中盤には多くのよい選手がおり絞るのは難しかったが、いずれも技術が高く、パスセンスにあふれたMFを選んだ。J歴代最多出場記録を持ち、常に冷静沈着、ゲームをコントロールする遠藤保仁。運動量も多く攻守に気を配り、タイミング、コースとも完璧なスルーパスに何度も唸らされた中村憲剛。魔法の左足で多くのチャンスを生み出し、何度も鮮やかなゴールを決めた中村俊輔の3人を中央に。名波浩、小野伸二、ドラガン・ストイコビッチらも捨てがたかったが。

 サイドには、右に抜群のキープ力とアイディアのあるプレーで川崎フロンターレの4度の優勝に貢献した家長昭博。左サイドも川崎から、在籍は2シーズン半ながら歴代でもトップクラスのドリブル突破を見せた三笘薫。彼が感じさせたワクワク感は最高だった。

 ストライカーにはパトリック・エムボマ、エメルソンら多くの外国人や最多得点の大久保嘉人も考えたが、優勝に貢献していないので外し、予測不能のプレーと高い決定力で、見る者を驚かせた久保竜彦を選んだ。最後にJの象徴であるカズは第1回MVPや1996年得点王などの実績もさることながら、プロリーグを成功に導いた存在で外せない。

 監督には日本代表を率いて、俊輔、遠藤、憲剛の共存を探っていた節のあるオシムに任せたい。

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