J1移籍のトレンド「J2からの個人昇格組」は今季も楽しみな選手がズラリ。なかでも期待大の9人 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 ここから先は、気になる選手を駆け足で紹介してみたい。

 DFでは、東京ヴェルディからコンサドーレ札幌へと移籍したDF馬場晴也。

 昨季はU-21代表にも名を連ねた馬場は、CBが本職ではあるものの、東京Vのアカデミー出身らしく足元の技術にも長けており、昨季J2ではボランチを任されることも多かった。札幌で変幻自在の"ミシャ式"サッカーに適応することで、さらなる成長が期待できるだろう。

 MFでは、町田から鹿島アントラーズへと移籍したMF佐野海舟。

 昨季はシーズン途中に腰を痛めて戦線離脱。リーグ戦後半をほぼ棒に振ってしまったが、本調子なら、中盤でのボール奪取やスペースカバーに冴えを見せるボランチだ。鹿島のハイレベルなポジション争いを勝ち抜くのは簡単ではないだろうが、米子北高卒5年目の22歳にとっては、大きくステップアップする絶好のチャンスを迎えている。

 そして最後にFWだが、ここには多士済々の精鋭たちが顔をそろえた。

 熊本からG大阪に移籍加入のFW杉山直宏は、左利きのアタッカー。

 得意の右サイドで見せる切れのいいカットインは、典型的なレフティのそれだ。中へ行くと見せて縦に抜けていくことでもでき、幅広いプレーで相手DFを翻弄する。レフティらしい、天才肌のプレーを見せる選手である。

 同じ熊本から浦和レッズへ移籍加入したのは、FW高橋利樹。

 昨季チーム最多の14ゴールを記録した得点力だけでなく、ハイプレスのスイッチ役となる前線でのハードワークも彼の魅力である。浦和にはFWブライアン・リンセンをはじめ、レベルの高いライバルが多いが、J2で見せたけれんみのないプレーを、埼玉スタジアムの大観衆の前でも見せてほしいところだ。

 東京Vからアビスパ福岡に移籍加入したのは、FW佐藤凌我。こちらもまた、チーム得点王の肩書を引っ提げての個人昇格となった。

 ゴール前での粘り強いプレーで得点に絡み、昨季積み上げたゴール数は13。労を惜しまぬディフェンスも含め、オールラウンドに働ける万能型ストライカーは、短い時間での結果を残せるタイプだけに、出場機会さえ得られれば早々に結果を残す可能性がある。

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