今季J1で注目すべき移籍。選手個人はもちろん、チームにとっても絶大なプラス効果が見込める7人 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 一方、C大阪に加わったレオ・セアラは昨季J1を制した横浜FMのチーム得点王。先発出場は14試合と少なかったが、それでも11ゴールを量産できたのは、途中出場の短い時間でも結果を出せるだけの際立つ決定力を備えていたからだ。

 パワフル、かつ正確なシュートは対戦相手にとって非常に脅威。若い選手が多く、まだまだ経験に乏しいC大阪の前線に、頼もしい点取り屋が加わったことは間違いない。

 また、ジョルディ・クルークスは派手さこそないが、堅実にハードワークができ、中盤でのチャンスメイクにも長けたレフティだ。C大阪の中盤は層が厚いが、異なるアクセントを加えられる存在となるはずだ。

 来日したはいいが、ほとんど試合に絡むことないまま契約満了になっていく外国人選手が少なくないなか、ここに挙げた3選手は現実的で手堅い補強と言っていいだろう。

 そしてもうひとり、最後に注目選手として挙げておきたいのが、柏レイソルに新加入したMF高嶺朋樹(コンサドーレ札幌→)である。

 札幌のアカデミー(育成組織)で育ち、筑波大卒業後、2020年に"古巣"の札幌入りした高嶺は、ルーキーシーズンから主力として活躍。2020年末には(国内組だけでの活動だったとはいえ)、東京五輪を目指すU-23代表候補にも選ばれている。

 力強いボール奪取に定評があるが、むしろ彼のプレーから強く感じるのはサッカーセンスのよさ。左利きで長短のパスセンスに優れ、ポジション取りの判断も正確だ。

 本来はボランチながら、札幌ではDFを任されることもあったのは守備力に優れているばかりでなく、戦術理解度が高いゆえのことだっただろう。

 裏を返せば、やや器用貧乏的なところも見られたわけだが、柏でポジションが定まり、そこで高水準のプレーを見せ続けることができれば、日本代表も十分に狙えるはずだし、それだけのポテンシャルは備えているはずだ。

 キャリア初の移籍をきっかけに、高嶺が"どう化けるのか"を楽しみにしている。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る