岩本輝雄が選ぶJリーグ歴代フリーキッカートップ10。「羽田空港みたい」「釣り竿のよう」「爆発音」で驚いた名手たち (4ページ目)
【世界トップクラスの正確性】
1位 ジーコ(元鹿島アントラーズほか)
ジーコは住友金属時代から対戦したことがあって、その時にもFKを決められたし、もちろん鹿島時代にも決められましたよ。あの頃はGKが小島さんでしたけど、ジーコのキックには一歩も動けなかった。独特のインサイドキックで、近い距離でも枠に入れられる技術はとにかくすごかった。
僕が18歳の高校生の頃、フジタ(湘南ベルマーレの前身)の北海道合宿に初めて参加した時、住友金属も一緒で、ジーコが先にFKの練習をしていたんですよ。彼のことはフラメンゴ時代のビデオを見ていたし、1982年のスペインW杯も見ていたので知っていました。
「あれが、あのジーコか」と見ていたらFKが全部入るんですよね。それほど力を入れずに全部きれいに枠を捉えて、ものすごく正確でした。
ジーコのキックはインサイドキックなんですけど、それほど思いきり蹴っていなくても、速くて重い。それとフカすことがないし、それでいて壁に当てているイメージもない。
1993年のJリーグ開幕戦で決めたFKもすごかったですよね。あの位置で、壁がジャンプしている上からポストの内側を叩くコースを狙っていた。あんなのを蹴られてしまっては、GKはノーチャンスですよ。ジーコのキックの正確性は、世界の歴代でもトップクラスだと思いますね。
<岩本輝雄が「悩んだ!」その他の候補>
ネナド・マスロバル(元ジェフユナイテッド市原ほか)
クラウジオ(元ベルマーレ平塚ほか)
澤登正朗(元清水エスパルス)
小笠原満男(元鹿島アントラーズほか)
岩本輝雄(元ベルマーレ平塚、ベガルタ仙台ほか)
岩本輝雄
いわもと・てるお/1972年5月2日生まれ。神奈川県横浜市出身。横浜商大高校から1991年にフジタ(湘南ベルマーレの前身)へ入り、ベルマーレ平塚で1994年からJリーグでプレー。同年に日本代表にも選出された。左足の強烈かつ多彩なキックを武器に、以降、京都パープルサンガ(現京都サンガF.C)、川崎フロンターレ、ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)、ベガルタ仙台、名古屋グランパスでプレー。2006年にオークランドシティ(ニュージーランド)でFIFAクラブワールドカップをプレーし引退。名古屋退団後からタレント活動を行ない、現在はサッカースクールやコメンテーターも務めている。
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