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高校サッカー選手権の注目校を紹介。連覇を狙う青森山田、走れる神村学園、タレント揃う履正社......。混戦を抜け出すチームはどこか (4ページ目)

  • text by Matsuo Yuki

【特徴を持ったチームがひしめく】

土屋 佐野日大(栃木県)も気になりますね。6年前にベスト4に行ったじゃないですか。あの時もそこまでの評価はされていなかったけど、ベスト8では駒澤大高(東京都)相手にワンチャンスで勝ちきった。その時のチームと雰囲気が似ていると聞いているので、ちょっと楽しみですね。海老沼秀樹監督も熱い方で、相手はやりづらさはあると思います。

 こういうチームと履正社がやったらどうなるのか。ふだん、履正社はJクラブのユースが多いプレミアリーグで戦ってきて、こうしたチームと対戦していません。そこがどういう影響を与えるか気になりますね。

松尾 栃木県予選決勝の試合を取材したんですけど、しっかりブロックを作って守るとか、ロングスローを放り込むところも含めて、今年も手堅く戦えるチームです。最終ラインはサイズが大きい選手が揃っているので、そこも武器ですね。

 ブラジル人の父を持つ、FWヒアゴン・フランシス・琉生(3年)という切り札がいるのも心強い。予選決勝では途中から出場して延長戦で決勝点を決めたんですけど、本当にドリブルがうまくて、フィニッシャーにもなれるんですよね。チームも監督も6年前の再現を狙っているので期待したいです。

森田 奈良育英(奈良県)も佐野日大と同じタイプのチーム。相手が嫌がることをうまくできるので、そこも面白いかもしれません。

――反対の山はどうですか?

森田 岡山学芸館(岡山県)もいいです。

土屋 昨年も今年もインターハイでベスト8に入っていますし、大柄ではないけど、ちゃんとサッカーができる選手が多い。僕は左SBの中尾誉(3年)を注目選手に入れたんですけど、インターハイでこんな左SBいるんだって思いました。70分間走りきっていたし、インターセプトの出足もいい。高校サッカーを知り尽くしている、東海大福岡(福岡県)で総監督を務めた平清孝さんの存在も大きいですよね。

松尾 今年からアドバイザーで関わっていますもんね。

森田 あのような方がいるといないでは、全然違います。

土屋 ここぞというところで出てくる言葉がありますからね。ただ、國學院久我山(東京都)もいいですよ。東京都A予選の準決勝でもインターハイ準優勝の帝京と打ち合って3-2で勝ちました。李済華監督が「ほかのチームよりも、ちょっとだけ点をとるのがうまいかもしれないね」って独特の表現で話していました。

 FW塩貝健人(3年)もそうですけど、結構しっかり点をとって勝ってきている。昨年から試合に出ている選手が多く、センターラインにもいい選手がいる。昨年も全国で戦えるチームだったけど、昨年の予選敗退を経て捲土重来を期しているはず。溜めてきたパワーもあるし、駒沢陸上競技場はホームみたいな感じなので期待したいですね。

森田 そのホームで食ってやろうというのが近大和歌山(和歌山県)なんですよね。昨年はフクダ電子アリーナで流経大柏(千葉県)を破りましたが、今年も面白いと思います。

【筆者プロフィール】
土屋雅史(つちや・まさし)
1979年生まれ。群馬県出身。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

【筆者プロフィール】
森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。

【筆者プロフィール】
松尾祐希(まつお・ゆうき)
1987年、福岡県生まれ。大学卒業後、サッカー専門誌『エルゴラッソ』のジェフユナイテッド千葉担当や『サッカーダイジェスト』の編集部に籍を置き、2019年6月からフリーランスに。現在は育成年代や世代別代表を中心に取材を続けている。

◆【画像・写真】第101回全国高校サッカー選手権の注目選手たち

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